
この器を使いたい、という器。この人の器を使いたい、という器。
どちらも同じ器ですけど、「器は使ってこそ」だそうです。
奈良の辻村塊さんは、「器を作るのは毎日のことやから、ただ黙々と作ってます。そんな中で出来た器を、好きに使ってもらえたらいいと思う」と言います。京都の猪飼祐一さんは、「あのお店のこういう幅のカウンターで、こんな女性がお酒を飲むぐい呑みはこんなんかな…って考えながら作るのは楽しいねぇ」と。九谷の北村和義さんは「こんなん他にはないし、ちょっと面白いかなと思って」と笑います。
同じく九谷の山本長左さんは、宮内庁の器もお作りになっていますが「ウチは茶碗屋やから。毎日使ってもらわんとね」。器も、それを作る作家さんもそれぞれ。でも私たちは、好きな作家さんの器をもっとたくさんの方に、日常で使って欲しいと思っています。そんな器、少しずつですがご紹介していきます。どうぞ作家さんの人となりと一緒に、器をご覧ください。

金子國義先生、浦地思久理先生は、美しいもの、綺麗なものが好きというお二人。
私たちの大切なお友達は、見る以外に、空間を創る愉しさも教えてくださいます。
とにかく美しいものが好きという金子國義先生は、歌舞伎や映画に造詣が深いばかりではなく、着物や和洋の器についても、次の世代へ伝えていっていただきたい確かな見識をお持ちの人。アトリエはそんな金子先生の遊び場であり、人生です。また浦地思久理先生は、巧みな筆遣いと、歴史的、美術眼的な独特の視点、そして絶妙なユーモアのセンスを持つ、まさに現代のアーティスト。
そんなお二人がこれからもどんどんと作品を発表していかれる中で、誰よりも先にご紹介したい…それがこのサイトを始めるようになった大きなきっかけの一つです。実際にご本人に伺った作品に対するコメントと一緒に、こちらもぜひゆっくりとご覧ください。私たちの器とも、なかなか合ますよ。