ようこそ右都和へ。銀座・慎太郎ごのみの器、絵画のサイトです。

11月24〜29日、「神楽坂婦人会 其の二 骨董の巻」を開催します。

さて皆さま、11月の展覧会のご案内です。

「私達と一緒に器を学んで、本物を知る女性に一歩近づきましょう!」と
女優のMEGUMIさんと一緒に企画した、「神楽坂婦人会」。
東京・神楽坂で開催された第一回“まめ皿の会”では、
多くの方に足をお運びいただき、食卓を豊かに彩るまめ皿についてお勉強いたしました。
第二回となる今回は、金沢から骨董「古器観」さんの店主・東さんをお招きして、
古い器に宿る不思議で深〜い魅力についてお話ししたいと思います。

「神楽坂婦人会 其の二 骨董の巻」

日時■2015年11月24日(火)〜29日(日)
場所■ギャラリー&カフェ 帝 MIKADO
時間■11:30〜19:00(水曜定休)

◎骨董の楽しみ方って?
◎骨董ってどんな魅力があるの?
◎古染付って何?
◎古染付はどのように楽しめる器なの?

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〜古器観・東さんからのメッセージ〜

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骨董『古器観(こきかん)』店主、東さん

中国は明の時代、日本では江戸時代中期以降に、中国から日本へと渡ってきた染付磁器。それが今日本で「古染付(こそめつけ)」と呼ばれているものです。中国では、当時日本にはなかった高温での焼成技術によって、薄くて真っ白な上等の器がつくられていました。そこに綺麗なブルーでいろいろな模様が染付けされているんです。“骨董の会”では、当時の古染付を実際に見ていただき、まずは日本の藍色とは違うブルーの美しさを感じていただきたいですね。白地に描かれて浮き出るようなブルーが、年月を経て器に沈み込んでいる……はっとするような魅力を持っているんです。日本人とは違った美的感覚で描かれた模様も、本当に綺麗ですよ。徳利一本でも、思わず「ああ…」と感嘆の声が漏れてしまうくらい。

海外では、器は傷も汚れもないものが美しいとされていました。ですが、日本にはモノの虫食いとか焦げたところを、景色として楽しむ文化があります。海外で評価されず見向きもされなかった作品を日本人は大切にして、生花に使ったりしてきたんです。日本人ならではの美意識、というんでしょうか。でも最近では、海外の方もそういった器の価値に気づき始めていて、古染付を市場で見る機会は減ってきています。コレクターさんは、一度手に入れたものをなかなか出そうとされませんから。

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今回「骨董の会」にお持ちする古染付は、富山の旧家さんが大切に保管されていた貴重なもの。90歳を超えても多くの作家さんを育てられていたというご主人が所有されていたものなので、模様も柄も一見の価値があるものだと思います。美術館に所蔵されている器ではなく、実際に人の手から手へと大切に受け継がれてきた器には、そこに何かしら不思議な魅力が宿っているように私は感じているんです。その器に込められた人々の想いが私を動かして、その器をまた新たな人に運んでいく……そんな不思議な感覚ですね。骨董の持つ深い魅力を、ぜひ実際に手に取って感じていただきたいと思います。

ここでその一部をご紹介します。

『景徳鎮南京手』

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明代、350~450年くらい前、景徳鎮で作られたものと考えます。本来、こういう花鳥や山水、宝づくりの図柄は中国人は好みませんので、おそらく日本の茶人か豪商、あるいは殿様が、景徳鎮に注文したものではないでしょうか。高台は砂高台と言って、今のような棚の上ではなく、砂の上で焼かれたもので、中国で作られたということを表します。日本で作られたものには、ほとんど砂高台ありません。茶人はこの砂高台も、景色として愉しんでおられるんです。また、明や清時代の器を見ると、高台に細かな線が入っていますがこれも大きな特長ですね。
また。藍(呉須)の色も明時代のものは、素地に深く馴染んだ色合いが出ています。伊万里ではどうしても表面に色が付いた感じに見えるので、その藍のなじみ具合も明と伊万里を見分けるポイントと言ってもよいと思います。実はこれ、10枚を越える数が日本の一軒の家から出てきたものですが、同じ図柄は少ないのがとても珍しです。
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『鬼面(モンスターズ柄)芙蓉手鉢』

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これも明代350~450年くらい前のもので、器の周りの部分、四カ所に鬼のような目が描かれていて、これを鬼面と呼んだり、モンスターズ柄と言ったりしています。見込み(内側の底の部分)の図柄は、コオロギやバッタ?が入っているものが多いですが、こういう花鳥が描かれているものは、やはり日本からの注文で作っているのではないかと思います。
こういう古い器では、表面に黒い点が見えることがよくあります。これは釉薬の中に入っている石などが焼けたりしているもので、振り物と呼ばれていて、古い証拠として好まれています。
器に魅せられた者が行き着くと言われる「古染付」を中心とした
骨董を楽しむためのお勉強会、ぜひお越しいただければと思います。

『型押し絵皿』

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尾形乾山さんがこういう形のお皿を焼いたというのは残っていて、それを写したものではないでしょうか。
銘に九谷が記しされているので、明治から大正のものではないかを思います。型押しのお皿で色絵付けをしているものは、あまり出てこないですね。また、これは色が落ち着いています。紫、ピンク、ブルーのような淡い色は、外国からコバルトを含む絵の具が入ってきて、そのコバルトの影響で華やかで淡い色が出ています。明治の焼き物や、そいういう淡い色がよく使われたようです。
江戸時代から明治に移り変わって行く中で、江戸の職人さんの仕事を維持するために、何人かを帝技員(技術監督、とでも言いましょうか)という役職にして器を作らせたんです。明治政府が推進し、外国へ売るために、博覧会などに出品したようです。外国人が好むような器が多く作られました。

『大聖寺伊万里染付祥瑞(しょんずい)兎図小皿』

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座っているようなうさぎが可愛いでしょう。九谷の文様帳に出ている柄のようで、その背景に祥瑞(しょんずい)と言われる模様が描かれています。周りに丸紋が入っているのも、祥瑞の特長です。口紅(口縁部分)は鉄釉で色付されていますね。
大聖寺伊万里と言われるのは、兎の文様と合わせて、染付の藍が、伊万里でも無く中国でもない、藍九谷の色なのがその理由です。実は高台にも特長があって、それはまた直接ご説明しますね。

『線描き伊万里小皿』

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幕末ぐらいのものです。花鳥風月、すべての柄が線で描かれています。藍の色も伊万里でしょう。線描きのものは大皿には見られるのですが、こういった小皿には珍しいえすね。あまり見たことはありません。形も輪花というのも面白いです。で、器の裏側は、蛸唐草が描いてあって、こちらは、唐草の輪郭を線で描き、その中を色付してあります。丁寧で綺麗な仕事ですね。
また、見込みの模様は、普通なら松竹梅などを入れるところなのですが、幕末ぐらいのものということで、もしかしたら海外のエンブレムのようなものかもしれませんね。

『みじん花唐草小皿』

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江戸後期から幕末のものです。江戸時代のみじん花唐草の上手のものは、二重線で美しく描き、中に呉須を流しこんでいます。そのみじん唐草の中に、ところどころ花が描いてあって、はっきり見えます。これは印判ではなく、明らかに手書きのものでしょう。見込み(内側の底の部分)には松竹梅が描かれていて、こちらもきれいに見えますね。器の大きさに対して、高台が少し高めなのも、古いものではないかと考えている理由です。

『青手輪花小皿』

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下部の緑の部分の淡い感じは、釉薬を薄めた淡さとは違う、コバルトが入っているような色合いなので、幕末から明治にかけてのものではないかと見ています。裏は、緑の線がきれいに入ってあり、青手の特長がしっかり出ています。この手を好む方も多いです。青手とは、五彩(緑、黄、青、紫、赤)が入っている九谷の焼き物を指す言葉です。

『伊万里豆皿』

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幕末くらいのものです。蓮の花が、器の表から裏にかけて描いてあり、鳥の大きさもお皿によってさまざまで、可愛い一品です。縁の部分は、鉄釉の口紅で化粧してあるのもポイントですね。表側は芦が出ていることで、構図的にも綺麗ですし、裏まで本当に丁寧に描かれています。

『庄三手鉢』

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当時の特徴的な色であるピンクが使われているこの鉢は、明治時代、金沢の庄三(しょうざ)さんの器です。
絵柄はこの庄三さん特有のもので、枠窓を決めて、その中に絵柄を描いていくというもの。九谷焼の代表作の模様と言ってもよいと思います。現代でも、この絵柄をいろんな作家さんが描かれています。

『赤絵金襴手鉢』

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こちらも明治のものでしょう。この鉢は絵柄がユニークで、周りの部分には渦巻き模様が入っていて変わっています。また、赤絵の鉢の多くは、年老いた人物が描かれていることが多いのですが、こちらは表情が違う唐子がちりばめてあって、それが可愛い。見込み(表側の底部分)の模様には、お日様が出ていて、仲が良い長生きの翁と婆、そして藻をつけた様子が蓑に見えることから蓑亀(みのがめ)と言われる亀が描かれ、長寿の縁起物の鉢ですね。情景を想像するだけでも、十分愉しめる絵柄です。

骨董はいろんな楽しみがあります。そしてそれは日本人の美意識についてたくさんのことを教えてくれます。
ぜひ、実際に見て、触れて、少しでもその楽しさを感じていただければこんな嬉しいことはありません。

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「みなさま、帝で今年もお会いできることを愉しみにしています」

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